うつは、仕事以上に家族に与える影響が大きい病気です。
そりゃそうでしょう。家族はいつも一緒にいますし、
重症化して休職…なんてことになれば、ますます家族との時間が増えるわけですから。
ですから、うつについては職場の理解や協力、また離職や休職についてきちんと話をつけるほか、
家族の理解と協力を求めることが、不可欠になってきます。
さて、ここから先は所帯持ちの男性を想定して話を進めますが
該当しない方も、いちおう読んでおいて損はないですよ。
ってか、読んでおいてください。
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すべての人がそうなのかは判りませんが、うつは「ある日突然やってくる」ものではありません。
ある程度の時間をかけて、じわりじわりと「おかしくなっていく」病気です。
ですから、毎日一緒に暮らしている家族であれば……あとえば、あなたの奥様などは
「なんだかあの人、最近おかしいわね…」程度のことは感じ取っているはずです。
まぁこれが「わたくしのダーリンが……なんだか、辛そうですわ…」でも良いですし
「なぁんか父ちゃん、最近メゲてんなぁ〜(鼻ホジ〜)」でも良いのですが、
あなたが考えている以上に、周りの人々はあなたの異変に気づいているものです。
それはおそらく、うつという病気が単に「疲れが溜まっている」などの言葉で表現できる以上の、
何か異質なダメージ感を人に感じさせるからなのかもしれません。
このようなわけですから、うつの診断を受けたなら、まず家族(てか奥様)には伝えるべきです。
隠したところで隠し通せるものではありませんし、奥様はすでにあなたの異常に気づいてますから
いまさら無駄な抵抗はしないことです。包み隠さず話しましょう。
で、奥様がうつについてあまり知識が無いようであれば、
病院で貰ってきたパンフとか私の本とかお医者さんが書いた書籍とか私の著作とか、
資料になるものを適当に見つくろって渡してあげると良いです。
そこまでの余裕があなたになければ、うつについて知っておいてほしい、ということだけを
伝えておけば良いでしょう。あとは奥様があれこれ情報を集めにかかるはずです。
そこから先は奥様に任せましょう。
あと、これはあなたのその時の病状次第なのですが
できるだけ干渉しない生活習慣を作っておくと良いと思います。
私はうつ絶好調の頃、女房からはひたすら放置プレイを食らっておりまして、
これがまた心地よく、実に楽ができたものです。
奥様からしてみたら、うつ患者にあれこれと気を遣うのは神経が疲れますし
患者自身にしても、そうしたケアはありがたみよりも煩わしさが先に立ちます。
ですから、そうした話ができるうちに(病状が悪化する前に)、
「できるだけ干渉を少なくする生活のしかた」というものを、
話し合っておくと良いと思います。
奥様としては、愛しいダーリンが病気…となると、
何でも良いから役に立ちたいと思うものかもしれません。愛の力です(棒)
ですが、多くの場合それはお互いにとって苦痛ですし、
奥様までもがうつ発症のリスクを高めることになりかねません。
必要以上に世話を焼かない。干渉しない。
それを基本にすると良いと思います。