うつ患者にどう接するか-04

これは本にも書いたことなのですが、
うつ患者に対してあまりに神経を遣うのは、正直よろしくありません。
患者自身に良くないのはもちろん、
そうした神経を遣う周囲の人々への負荷が大きすぎるからです。

うつ患者の発想は、常に自己否定から始まっています。
「自分は生きるに値しない人間だ」
「生きているだけで恥ずかしい存在なのだ」
生物の生存本能とはまったく関係なく、
こうした感覚が常に頭の中を占領し続けているのです。

一方で、うつになると周囲からのアクションに非常に敏感になります。
身近な人からの言葉や行動に対して、極端に恐縮してしまったり、
逆に被害妄想的な感覚を持ったりします。

…私の場合は前者の「ひどく恐縮する」という感覚が強かったですね。
「こんなに人に気遣いさせてしまって、申し訳ない」というような。
また被害妄想…というところまではいきませんでしたが、
ある種の方々に対しては、はっきりと嫌悪感を持つようになっていました。
「もう俺のことは放っておいてくれ!俺にかまうな!」というような。
このあたり、人によって違うでしょうし、どちらの要素が強く表れるか、
その時々によっても違うのかもしれません。

いずれにしても本人にとってはストレスです。
病状を悪化させこそすれ、回復の助けになることはあまりなさそうです。
そしてそれ以上に問題なのが、うつ患者への接し方に神経をすり減らし、
周囲の人々がストレスを抱え込んでしまうということです。

腫れ物に触るのは、非常に神経をすり減らすものです。
そのあげく、前記事でも書いたように「うつの家族がうつになる」という、
なんとも不幸な結果を招くこともありますし、
逆に抱え続けたストレスが爆発し、「お前の世話ばっかり焼いてらんねえんだよ!」などと、
うつ患者自身にうっぷんを炸裂させることもあります。
(これは私自身、実際に経験しました)

繰り返しになりますが、うつ患者に対しては必要以上に神経を遣わず、
ごくごく普通に、淡々と接することです。
そもそも「人とかかわる」ということ自体、うつ患者には大きな負担なのですから、
できるだけ「関わらない」というのが、一番なのかもしれません。

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