「うつ」というのは一般には「うつ病」などと呼ばれ、まぁ近ごろ多い心の病気…みたいなとらえ方が主流なのかなぁと思います。まぁそれは間違いではないんだろうけど、俺は自分の経験からして、別の見方をするといいんじゃないかと思っています。
「うつ」というのは病気ではなくて、うつという症状なのだ…と。頭痛や発熱、出血などと同じように、何らかのトラブルが起こったときに表れる症状が「うつ」なのだ…と、そう考えたほうが良いんじゃないのかなと思っているんです。
病気として捉えようが症状として捉えようが、別段たいした違いはないように思われるかもしれません。
でも順序立てて考えていくと、意外とそうでもないんです。
うつを症状として捉えることで、俺にはなんとなく、見えてくるものがありました。
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およそ何らかの病気にかかると、いろいろな症状が表れてきますよね。
風邪をひけば咳や発熱、体のだるさ。
食あたりをすれば下痢や嘔吐…このところ大暴れのノロウイルスも、こうした症状を引き起こします。
また「病気」とはいえないレベルになれば、慣れない力仕事をすれば筋肉痛が残りますし、肩こりや腰痛なんてものも、体に表れる症状のひとつには違いありません。
で、これらさまざまな症状というものは(決してすべてではありませんが)、症状それ自体が何かしらの機能を持っています。
たとえば風邪は体内に病原菌やらウイルスやらが侵入することで起こるものですが、咳が出るのは喉に侵入してきたそれら異物を吐き出す作用がありますし、発熱することによって異物を叩き、同時に免疫システムの能力を高めるという作用が起こります。また体がだるくなれば「おとなしく寝ていよう」ということになりますから、余計なエネルギーを消耗せず、体の機能の多くを異物を叩くことに振り向けることができます。
食あたりのときに起こる下痢や嘔吐は、まさしく人間の体に標準装備された「消化管洗浄機能」とも言うべきでしょう。「おい、消化管に何かヤバい奴がいるぞ。とっとと追い出せ」という具合ですね。深酒をしてゲロンパしてしまうのも、それ以上に深刻な「アルコール中毒」という事態を避けるための安全弁なわけです。
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じゃあ、うつの場合はどうでしょう。
うつを「病気」でなく「症状」としてとらえるというのはどういうことなのでしょう。
それによって、何が見えてくるのでしょう。
そのあたりは、次回の書き込みでボツボツお話ししていこうと思います。