無駄な心配をしない

うつを脱却した私に表れた最も大きな変化というのが、
おそらくコレだと思います。
周りから見ても、明らかに判る変化ではないでしょうか。
「心配する」ということが、極端に少なくなりました。

気持ちが大らかになったとか、そういうことではありません。
仕事でもプライベートでも、先行きが不透明だったり読み切れなかったり、
あるいは自分が望んでいない悪い方向に転がりかねない匂いがするようなときは、
やはり心配はいたします。

ただ、その心配のそのあとに、必ず「だからどうする」という、
対策と行動が伴うようになったのです。

***********************************

世間でいわれる「心配」って、二通りあると私は思うんです。
役に立たない心配と、役に立つ心配です。
少々雑な分け方ではあるのですが、まぁ、だいたいいずれかだと思って良いでしょう。

「役に立たない心配」というのは、「するだけ無駄」な心配です。
……明日はいよいよ、息子の高校受験の日だ。…大丈夫かなぁ。
あの子はアレで神経が細いところがあるし、本番に弱いところもあるし。
あんなに頑張って勉強していたけれど、実力を出せるかしら……。
心配すればするほど心配になり、頭から離れなくなって
それがストレスになってしまいます。

まぁお気持ちは解りますが。
でもそんなの、いくら心配したところで無駄です。本人次第なんですから。
心配だからって試験会場までついていって、
隣の席でガンバレガンバレと応援できると思います? できないでしょう?
この手の心配は、いくら頑張って心配しても、何も生み出しません。不毛です。
するだけ無駄な心配です。

だったら、試験に向かう息子さんに
「あれだけ頑張った総仕上げだから、最後のひとふんばりしてらっしゃい」くらいのことを言って
送り出してあげたほうが、本人のためにもなるでしょう。

もうひとつは「フォローできる心配」です。
何か不安要素があるのなら「だったらおこうしておこう」と対策できる心配です。
たとえば週末、子どもたちと一緒にバーベキューの予定があるとします。
となると、当然のように天気が心配です。
「当日の天気は大丈夫かなぁ」と心配になりますが、
さすがにお天道様は人間ふぜいの思い通りに動いてはくれません。
いくら心配してもどうなるものでもないのです。

だったら「天気が悪くても楽しめる方法は?」というふうに頭を切り換えれば、
意外といろいろなアイデアが出てくるものです。

屋根付きの場所を予約しておくとか、
雨避けにタープテント(運動会なんかで見かける、例のテントです)を
用意しておくという手もあるでしょう。
「雨が降っても大丈夫!」という状況にしておけば、もう雨を心配しなくてすみます。
心配がなくなれば、ストレスもなくなるのです。

**************************

今から思えば私自身、うつの特に初期の頃には
こうした「不毛な心配」がとても多かったように思います。
それがいっそうストレスとなって、うつに拍車をかけていた……そんなふうに思うのです。

生きていると心配ごとのタネは尽きません。
ですが、心配ごとには対策を講じておけば良いのです。
そうすれば、それは心配ごとではなくなります。

対策すら講じられない心配ごとは、
それはすでに、あなたの手でどうにかできるものではありません。
つまり「するだけ無駄」な心配なのです。
だったら、ストレスを貯め込むだけ損じゃありませんか?

心配ごとがあるなら、対策をしておく。
それができないなら、それは「するだけ無駄な心配」である。
ここに気づいたからでしょうか、うつを完治した後の私はずいぶんと、
ものごとをシンプルにとらえ、考えることができるようになったと感じています。

ごめんなさい!コピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました