うつになったら、とにかく「何もしない」というのが第一。
でもそれは理想論であって、現実には難しいことかもしれません。
しばらく休職するなんてのは、福利厚生の整った
大手企業でなければ望めないでしょうし、
なんとか休みを取れれば取れたで、
休職中の収入の心配や復職時の待遇が不安だったりするでしょう。
小さなお子さんや介護が必要な親兄弟がいれば、
ますます心労は募るばかりです。
仕事と違って、彼らは待っていてはくれません。
当然のことながら、日々のケアを欠かすことはできないのです。
こう考えると、外で働くお父さんよりも、
家庭を預かるお母さんがうつになってしまった時のほうが、
本人はもちろん周囲に与える影響は桁違いに大きくなります。
さて、本当は何もしなくはないのだけれど、
やらなきゃいけないことがあれこれとある…。
この状況をどうするか?
もちろん、放置しておくわけにはいきません。
うつになると、とてつもない「うつ気分」に襲われ、
気力や思考力、判断力が大幅に削り取られてしまいます。
ですがうつに特徴的な「日内変動」によって、
一日のうちのある時間帯…たいていは夕方以降ですが、
その頃になると比較的まともな状態に戻ったりします。
こうした状態にあるなら、まず「待っていてはくれないあれこれ」について
考えるようにしましょう。
あなた以外に彼らの世話を任せられる人がいるなら、
素直に頼りましょう。
そうした人がいないなら、今の状況であなたの負荷がいくらかでも軽くなり、
しかも「彼ら」にもあまりストレスを与えずに済む方法を考えましょう。
「彼ら」にも多少の我慢をしてもらうことになるかもしれませんが、
そこは仕方のないところでしょう。
ベストを追求することは素晴らしいことですが、
ベターでも充分だというケースは世の中に多くあります。
ベストに固執するあまり、心身に無理をかけるのはよろしくありません。
「最良の解決策」よりも。「無理のない対応策」で充分です。