なんだか今日は長ったらしいタイトルですが、
まぁこれも「思うところあって」というヤツです。
とはいえ、大したことを考えているわけではありません。
うつと仕事について、経営者に近い目線から見てみようと思った次第です。
私は自分の経験から、うつ患者というのは「厄介者」だと思っています。
いかにも差別的な発言だと叱られるかもしれないのですが、
叱られても仕方ありません。うつ患者は明らかに厄介者です。
特に仕事の場面では間違いなくそうです。
私自身がそうでした。
うつになると、ものごとの検討、判断ということがほとんどできず、
何をするにも周囲の協力がなければダメで、
そもそも仕事のスピードとクオリティがガクッと落ちます。
山の中で一人で暮らしているならまだしも、
チームを組んで仕事を動かしている中で
メンバーの一人がこんな状態では、他のチームメイトの迷惑です。
つまりは「厄介者」です。
もしもこの記事を、うつ絶好調の方が目にしたら…という思いがよぎり、
正直言って書き込みを少々ためらいました。
かなりのショックを受けるかもしれません。
ドーンと深い落ち込みにはまってしまうかもしれません。
ですが、やはり書いておくべきだと思い返し、
キーボードをカタカタと鳴らしつつ書き込んでいます。
こういう現実を、正面切って言う人間が少ないように思うからです。
仕事の面だけに限ってみましょう。
うつを発症したメンバーは、極端に能力が低下します。
それまで100の仕事ができていたのに、50の仕事しかできなくなる。
これは経営という立場から見れば、明らかな損失です。
さらにいえばこの損失は一時的なものではありません。
今後も継続的に続く損失なのです。
うつを発症した本人から見ても、良いことはありません。
自分の能力が落ちていること、そのために周囲に負担を強いていること、
それでも周囲は自分に対して寛容な目で見守っていることに
(時には冷たい目で見られていたりもするのですが…)
非常に大きな引け目を感じてしまいます。
「すまない」「申し訳ない」そんな気持ちばかりが先行して、
そのためにますます症状を深く重くしていってしまいます。
ですがここで大切なのは、誰も得をしていないこの状況を、
「どのように好転させるか」ということです。
つまり、今は厄介者であるうつ患者を休ませ、症状を落ち着かせ、
さらには生活に支障ないレベルまで改善させて
「厄介者でなくなる」ようにすることです。
そのために何ができるかを考え、手を打っていくことです。
うつを患った本人はもちろん、周囲の人たちにも
できることはたくさんあるはずです。
もちろん本人への過剰な干渉は禁物ですが、
経営という立場から見たときに、従業員の精神衛生をどうケアするか、
また従業員がうつを発症したときにどう対応するか。
そうしたことは考えておくべき要素だと思います。
繰り返しますが、ここでいちばん重要なのは
うつを発症した人間を「厄介者で居続けさせない」ことです。
そのために、経営側も知恵を出し、汗をかいても良いのではないでしょうか。
もしも彼が、彼自身の問題を克服すれば、
それまで以上に闊達な仕事振りを見せてくれるはずです。
そうすれば、新たな人的資産の獲得・育成にコストをかけずにすみます。
「たいしたことはないだろう」「いずれ良くなるだろう」
そんな希望的観測を両手いっぱいに抱えたところで、彼のうつが治るものではありません。
超ブラックな経営者ならば「何か理由をつけて辞めさせればいいさ」などと
うそぶくかもしれません。
いずれにしても、有能なスタッフというものは、
天使のように偶然空から降りてくるものではありません。
そこまで育っていくためには時間もコストもかかります。
それならば、うつを患ったスタッフの回復のために注力する。
さらに、うつを誘発しかねない社内の要素を総点検する。
そうした方向に時間とコストを傾けたほうが効率的だと思うのです。
結果、会社全体がうつを未然に避け、防止できるような体制を整えられれば、
福利厚生としてもかなり優秀なものになると思うのですが、どうでしょうかねえ、そこの社長!?