「〜させろ!」とは、零細ブログの分際でずいぶんな物言いであります。
でもねえ、これホントに大事だと思うんですよ。
以前、一度記事にしたのですが、企業の健康福利厚生について、近ごろあらためて思うのです。
会社は社員の健康について、それも精神健康について、もっと注意深くあって良いのではないでしょうか。
今もそうだと思いますが、昭和生まれの私にとって企業の健康福利厚生というと
「年に二回のレントゲン検診」というのがスタンダードです。
春と秋、会社の駐車場にレントゲン車が来て、
社員が列をなして撮影を受け、問題がある場合は後日個別に通知が来る、というやつ。
そんな時のレントゲン車はなぜか高確率で「宝くじ号」だったりするのですが、
それはともかく、胸部レントゲン写真って、「読影」が難しいんだそうです。
ネガフィルム状態の画像の、ほんのわずかな明るさの濃淡から初期の疾病を見つける…。
これ、読影専門のドクターでもなければ、5分や10分で分かるものではないそうです。
肺がんが見つかった人が「毎年、検診を受けていたのに…」という話はしばしば聞きますが、
まぁ、そういうことなのでしょう。
だったらいっそ、二年に一度くらいのスパンで
社員全員に人間ドックを受けさせたほうが、実質的な効果は高いんじゃないかと思うのですが。
どうなんでしょう?
私はほとんど会社勤めの経験がなく、わずかに在籍した会社は社会保険もないようなところでしたので
あれこれ言うのもおかしな話ではありますが。
さて、企業の精神健康福利厚生。
今や世の中はヘルシーが当たり前で、喫煙者は減少の一途、若者の酒離れは進み、
運動不足や食習慣の偏りが不健康へのポータルだということは、誰でも知っています。
昼定食の漬物に味の素と醤油をダバダバかけて食うような、
そんな私の親父(故人)のような人はごく少数でしょう。
現在では多くの人が程度の差こそあれ、自分の体の健康には気を遣っています。
ならフィジカルの健康管理は個人にまかせ、
企業は社員のメンタルヘルスに注力してはどうでしょうか。
精神衛生はなかなか管理しにくく、異常が起こっても自覚できないケースが多いものです。
また精神疾病に対する偏見などから、あえて自分の異常に目をそむける、ということもありえます。
しかし社員が精神を病み、そのために業務の能率が落ちるとしたら、それは組織にとって大きな損失です。
優秀・有能な人材であればなおのこと、その損失は大きいでしょう。
彼を採用し教育し、現在のようなスキルを身につけるまで育った裏には、
大きなコストと時間がかけられています。
その人材が「うつになって仕事ができない…」なんてことになれば、大ダメージです。
それを思えば、いちばん先にケアしなくてはいけない部分だと思うんです。
それともうひとつ。
近年では福利厚生もアウトソーシングが進んでいるようで、
「企業の福利厚生代行」なんて商売が立派に成立しているようです。
ですが内容を見てみると、
「海外リゾート優待」「全国○○箇所の温泉旅館と提携」など、
やはりその方面がメインになっているようです。
どうでもいいんだよ、そんなのは。
わざわざ会社の福利厚生制度使ってやるようなこっちゃないだろ。
行きたきゃ自分で予約して行きゃいいんだよ。
社員個人個人が気づきにくい、ケアしにくいところをすくい上げるのが
こうした福利厚生制度の存在意義だと思うのです。
ならば、個々が気づきにくい、あるいは気づいても行動に移しにくい
「メンタルヘルスの維持」という部分に、注力してはどうかと思うのです。
福利厚生の代行会社さん各社も、
そこに特化してみるのも良いんじゃないでしょうか。
これ、ビジネスチャンスですよ、きっと。