前回の記事の最後のほうに
「特定の価値観に囚われて硬直した思考」と書きました。
これは「特定の価値観」と、そこから離れられない「硬直した思考」が
セットになったものなのですが、意外とこれがクセモノで。
コイツこそがうつ発症の真の原因だと私は見ています。
コイツは決して表舞台には表れて来ません…というより、
表舞台に表れてきても、誰一人それが真の原因だと気づかないのです。
たとえて言えば裏世界のドン、強大なキングメーカー、影のフィクサー。
なんか「昭和政界暗黒紳士録」みたいなノリですが、まさにその通りです。
「特定の価値観」が「心の生活習慣」を形づくり、
それがさまざまな矛盾を呼んで「強いストレス」を発生し、
「硬直した思考」のためにストレスから逃げることができず、
その結果「うつ」になる、という流れです。
勝手な想像ですが、おそらくこうしたプロセスを経て
うつは発症するのではないでしょうか。
単にストレスにさらされただけでは、うつは発症しません。
そのストレスを回避したり解消したりできないために、
あるいは硬直した思考のために自分の中で理解し消化できないからこそ、
常に矛盾が残りつづけ、結果としてうつを発症してしまうのです。
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私がこうした考えに至ったのは、自問自答の結果でした。
うつが回復し、ようやく人並みな生活に戻れるようになったある日、
「なぜ俺はうつになってしまったんだろう?」と、ふと考えたのです。
電車に揺られながら、ぼんやりと思いを巡らしていただけで、
別段真剣に考え込んでいたわけではありませんでした。
ですが次から次へと自分に問いかけ、答えていくうちに、
私は自分自身で「うつの根本的な原因」に行き当たったと感じました。
それはまったくの偶然の産物でしたが、
目からウロコが落ちるような経験でもありました。
その時の私の思考プロセスについては、
次回に順を追ってお話ししていくことにします。