うつは治るのか?

これは、とても重たい問いかけだと思います。
この質問を投げられた人それぞれによって、その回答は違ってくるでしょう。

「治るけれども治らない」

禅問答みたいですが、これがいちばん無難な言い方なのかもしれません。
一般的なお医者さんのほとんどは、こうした立場を取っているのではないでしょうか。

「寛解ということは言えるけれども、完治とはいえない」

まぁ、お医者というのは基本的に「最悪の状況」を想定したうえで
ものを言うのが職業的な習慣のようですし、
正確さという点では、確かにこの言い方がベストな気もします。

ですが、その言い方が病気に苦しむ人たちに
漠然とした不安を与えていることも確かです。
「俺の病気は治るのか治らないのか、どっちなんだ?」

うつにどっぷり浸っている状態では、
希望的観測は何も見出すことはできません。
真っ暗闇の毎日が、未来永劫続いていくように感じます。
本当に治るのだろうか。元通りの自分に、戻れるんだろうか。

今のところ、うつの治療は投薬治療が基本です。
ですが薬はあくまでも「うつの症状を抑える」ためのもので、
「うつを治す」ものではありません。
というより、薬だけでうつを治すことはできないのです。

頭痛がするので鎮痛剤を飲む。腹が痛いので正露丸を飲む。
それはあくまで「不快な症状を抑える」ためのものに過ぎません。
頭痛の原因、腹痛の原因を取り除くものではないのです。

うつも同様で、その根本的な原因をはっきりさせ、
取り除くことができなければ、「治す」ことはできません。
いくら薬で症状を抑えても、それは根本的な解決にはならず、
いつまた症状が再燃…再発するか判らないのです。

そうした可能性が決して少なくないために、
ドクターはうつに関して「完治」という言葉を使いません。

でも逆に考えれば、うつの原因を明らかにして、
それを取り除くことができれば、
もううつを発症する可能性はなくなるということになります。

つまり、再発に怯えることなく「完治」させることができるのです。

のちのちの想定外のできごとや、それに伴うクレームを恐れてのことか、
とかく医師という人たちは患者に対して、
開けっぴろげで明快な希望を見せてはくれません。
「もう大丈夫、治ったから心配ないよ!」
こう言ってもらえたら、それはかなり大きな力になると思うのですが、
それもまた難しいことなのでしょう。

そのことについて私はどうこう言うつもりは毛頭ありません。
ですが漠然とした不安ばかりが先立っている、
うつに苦しむ方々に対しては、私ははっきりとお伝えしたいのです。

うつは必ず治りますし、治せます。二度と再発しないよう、
徹底的に克服することはできるんです。
あなたがいま、陥っているトンネルのような暗闇は、
どこまでも果てしなく続くものではありません。
それはあなたの思い込みです。
もしかしたらそのトンネルは、明日の朝には消えてなくなっているかもしれないのです。

うつは、そのようなものです。
必ず治せます。
まず、それだけは信じてほしいと思います。

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