うつを「完治させる」ためには

突然、えらく大上段に振りかぶったタイトルです。
実際にはそれほど大それた話ではありませんし、
また突飛なことでもないのですが、
やはり「うつを治す」、しかも現在行われている一般的な治療で
完治させるというのは、簡単なことではないと思います。

現在のところ、うつ治療といえば投薬治療が中心だと思うのですが、
投薬でできることは「うつの症状を抑える」ことです。
うつを発症した原因を取り除けるわけではありません。

ですから薬によって症状が抑えられ、良くなったと思ったとしても
断薬して、しばらくすると、またうつの症状が表れてくる。
原因を取り除けていないのですから当然なのですが、
こうなると「再発した」ということになる。

結果、「うつは非常に再発率の高い病気だ」ということになる。
根本的な治療ができていないのだから、これは当たり前の結果です。
再発率が高いのではなくて、きちんと治せていないのです。
原因と結果がまったく逆に捉えられているのです。

ですが、うつは完治させることができます。
お医者さんはなかなかこういう宣言をしてくれませんが、
私は「自分の経験」という言い訳を楯にして、あえて断言します。
うつは完全に治せます。

ただ、うつは自分自身の心…精神構造や感情の動きから生まれる症状ですので、
完治させるとなると、自分の心に向き合い、
その構造を知るところから始めなくてはなりません。
となると、うつの症状が猛威を振るっている間にトライするには
おそらく危険を伴います。
自分と向き合った結果、より悪い方向…自己否定がより強まる可能性があるからです。
それを思うと、今現在闘病中の方が実践するには、リスクがあるでしょう。

しかし、うつには「日内変動」という特徴があります。
夕方や夜など、一日のうちで多少なりともうつの症状が軽くなり、
思考力が甦る時期があるのなら、そこで「自分と向き合う」ことができるかもしれません。

また地道な投薬治療によって少しずつ症状を改善していけば、
こうしたことを考える余裕も生まれてくるかもしれません。

このあたりは人によって違うので、何とも言えないところではあります。
ですが、たとえ今うつを患い、うつに苦しんでいる状況であっても、
そこから抜け出す糸口を掴むチャンスは、必ずあります
不安や切迫感を感じることもなく、
物事を落ち着いて考えることができる時間は、必ずあるはずです。

まずは、そうした「貴重な時間」を見つけ出すことです。
そのうえで、その貴重な時間を使って、
自分の現在とこれからについて、考えていけば良いのです。

それが、今うつに苦しんでいる方が回復への道をたどるための、最初の一歩です。
先は長いですが、心配しなくても大丈夫です。
たとえ一歩でも二歩でも、歩みを進めれば、
それだけ出口は近くなるのですから。

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