いや別に、病気を勧めているわけではありません。
そうじゃなくて、「もしもうつになったらどうするか」ということを、
今のうちに考えておいたほうがいいよ……という話です。
さすがに私も「うつ絶好調」の頃は、何もする気にはなりませんでした。
で、うつのニオイすら感じていなかった頃は、
そもそも自分がうつを患うなんて、まったくもって想像の外でした。
「なんか…おかしい…」と感じ始めた頃も、
漠然とした不安に包まれて、そわそわしているばかりでした。
本当はその時点で病院に行って、心の準備やら何やらをしておけば
良かったとは思います。まぁ、今となっては…ですけど。
このブログを読まれている方々は、それぞれに環境も状態も違うでしょう。
「オレは大丈夫かな…」と感じながらも、日々仕事をこなしている方もいるでしょう。
人知れず病院通いを続けながら、不安に苦しんでいる方もいるでしょう。
すでに仕事や生活にもほころびが表れてしまって、
辛い闘病生活を余儀なくされている方もいるでしょう。
状況はそれぞれに違いますが、その中で「今、できること」というのは必ずあります。
症状が重く、ほぼ一日中寝たきりというような状態であれば、
今はとにかく余計なことを考えず、心と体を休めることです。
先のことを心配しても、どうなるものでもありません。
まず充分に休むことです。
それほどでもない…という方は、まず協力者を見つけることです。
多くの人にとってはまず医師であり、家族です。
そうした人々に、自分の不安を受け止めてもらうことです。
悩みや心配は、人に聞いてもらうだけでも軽くなるもの。
自分一人で解決できることなんか多寡が知れているのですから、
協力者の助けを求めましょう。恥ずかしいことではありません。
そして、今はまだ健康な方は、ぜひ今のうちにうつになっておくことです。
仕事ができない。コミュニケーションがとれない。日がな一日、ほぼ寝たきり。
このような状態になってしまったとしたら、どうするか。
それをシミュレーションしておくのです。
職場に疾病による休職制度はあるのか。収入はどれくらい減るのか。
収入が途絶えたとして、現状の貯えで、どれくらい生活していられるか。
安心して相談でき、頼れる人間はいるか。近所に精神科はあるか。
自治体などからの医療費助成制度はあったりするのか。
こういうことを、今のうちに調べ、検討して、「もしもの時」のために用意しておくのです。
「そんなことまでやってられっかよ」と、健康な方は思うでしょう。
ですが、うつにどっぷり浸った私が言うのです。
悪いことは言いません、今のうちに少しだけでも良いですから、考えてみてください。
ことわざに言う通り、「備えあれば憂いなし」なのですから。