ようやく、まとまった原稿がひとつ上がったのですが、まだまだ安心できません。
あと原稿が二本、残っています。
一本は今日明日で終わらせるとして、もう一本はあと10日のうちに終わらせないと…。
いやもう、先は長いです。
フリーランスの身の上としては、お仕事が忙しいのはありがたいことなのですが
さすがに身ひとつでこなしていますから、誰かに代わってもらうことができません。
辛いといえば辛いですが、自分で選んだことですので、もちろん文句はありません。
まぁ、少しずつでもこなしていけば、仕事は片付いていくものです。
焦らずじっくりまいります。
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しかし思い返してみると、うつにやられていた頃は
とてもここまでの仕事はできませんでした。
最悪の頃はメールひとつ送るのに20分30分かかっていたのですから
書籍一冊分の原稿を二週間で書き上げる……なんてことは、まず無理です。
逆に思ったのが、うつになったらどこまでの仕事ができるんだろう……ということです。
これは、自分がうつであることを自覚しているかどうかでかなり違うでしょう。
また、仕事の内容によっても、大きく差が出てくるものと思います。
上司に相談できるかどうか、またその上司なり会社なりが、
うつというものにどのような認識を持っているかで違ってきます。
まさに100人100様、というのが実際のところなのでしょう。
たとえば……
女性の社会進出が声高に叫ばれて久しいですが、
働く女性を支援する環境は、まだ充分ではありません。
産休・育休にしてからが、ようやく一般的になってきた程度で、
それもきちんと機能しているのはごく一部の大企業に限られるでしょう。
子育てしつつ働く女性をサポートする社内制度などを設けている会社は
それこそどれほどあるのやら、というのが実情でしょう。
男女雇用機会均等法が華々しくデビュー(旧法の改正なのですが)してから、
もう30年近くがたとうとしているのに、まだ現実はこのありさまです。
女性の就労環境にしてからがこうした状況なのですから、
精神疾患への理解とケアがどれほど進んでいるものか、
そこは推して知るべしというところでしょうか。
ならば、うつ患者は自分の病状と相談しつつ、自ら身を守るしかありません。
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異常を感じたらすぐに精神科へ……という話は、それこそ舌にタコができるほど話していますので、
そこのあたりのことは省略します。診断を受けてからの話ですね。
まず診断書を出してもらって、速攻で会社と相談です。
私はサラリーマンらしいサラリーマンをしたことがないので、
会社組織というものにあまり詳しくないのですが、
その手の相談ができる部署があるのなら、まずそこへ行くと良いでしょう。
また福利厚生の一環として、健康相談を受け付ける嘱託医がいれば、そちらに相談してみましょう。
「そんな気の利いたもんは、ウチの社にはねーよ」ということであれば、
やはり直属の上司に相談です。
ここで不安を感じるのは、相談相手がうつに対してどのような認識、知識を持っているかです。
たいていの場合、一般的に知られた情報しか持っていないのではないかと思うのです。
ですからあなたは、できるだけ冷静に、かつ客観的に自分の状況を説明すべきでしょう。
実際の例を上げて、どこまでならできるか、どこからは無理だと感じるか、
誇張を含めずに告げることです。
そうすれば、相手も先入観や思い込みを抜きにして話が聞けることでしょう。
また精神科のクリニックには、患者自身向けのものだけでなく
患者の家族や勤め先向けの資料が置いてあることがあります。
きちんと印刷されたパンフレットや、病院のスタッフの手作りらしい、
コピーを綴じたものなどいろいろですが、
そうしたものは思った以上に役に立つもの。ぜひ活用させていただきましょう。
診察の際には「会社には、どのように報告すれば良いでしょう?」とかなんとか、
少々子供じみた質問ではありますが、ドクターに質問してみても良いと思います。
ドクターはいろいろなタイプの患者を見てきていますから、ベストとは言わないまでも、
役に立つアドバイスをくれたりするものです。
とはいえ、こうしたやりとりができるのは、うつ症状が軽い時期か、
あるいは日内変動でいくらか調子が良くなっている時間帯に限られます。
ですからあなた自身の症状の程度によっては、夕方以降の時間帯に相談できればベターでしょう。
症状が軽いうちに医者に行け……というのは、こうした理由もあったりするのです。