なんかもう、久しぶりの更新です。
たとえ更新がなくとも、日々訪れていただいているお客様は多々おられまして、
そんな方々には本当に感謝とともに申し訳ない思いです。
今後もお見限りなきよう、お願いいたしますです。
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さて、前記事とも関連するのですが。
うつを発症して診断を受けて、奥様なり旦那様なりに伝えたまでは良いのですが、
さてお子様にはどのような対応をとるべきでしょうか。
……所帯持ち子持ちとしては、悩みどころです。
なんつったって、お子様の年齢によるところ大です。
右も左も判らない赤ちゃんであればまだしも、
4〜5歳にもなってくれば、それなりの頭は使いますし、
状況をくみ取ることもできます。
両親のやりとりを聞こえないふりしながら耳ダンボで聞いていて、
詳しいことは解らないながらも、何やらやんごとない状況にあるようだ…ということくらい、
子どもは簡単に察知します。ナメてはいけません。
ですから……というと乱暴ですが、私自身は
「子どもには正しい情報を伝えるべきだ」と考えています。
もちろん、年齢や成長の具合によって、理解の程度が違いますから、
そこは考えどころでしょう。
ですが「子どもに聞かせる話ではない」とクローズしてしまうのは、良くないと思うのです。
たとえば父親がうつを発症すれば、まず奥様はその異常を察知します。
子どもも「最近のパパ、なんか変」とか、感じているかもしれません。
診断を受けて休職でもすれば、ますます子どもは「変だなぁ」の度合いを深めます。
子どもの心に疑問が湧きます。
「どうしてパパは変なの? どうしてずっとお仕事しないで、家にいるの?」
この疑問には、きちんと応えるのが親の義務だと思うのです。
自分が子どもの頃にどうだったか……ということを思い出すたびに思うのですが、
子どもは親が思う以上に、いろいろなことに気づいています。
両親の夫婦仲がどうだとか、我が家の財政が芳しくないとか、
いつになっても借金が減らないとか、両親の言葉のはしはしから、
そうした情報をキャッチしています。
父親が何か良からぬ病気になってしまったらしい……ということも、
薄々どころがバッチリ知っているはずです。
そこで変に隠し立てしたらどうなるでしょう。
「なんか、パパは言うのも恥ずかしい病気になったんだ」ということになってしまいます。
うつ=恥ずかしい病気、という図式が、彼(だか彼女だか)の中で確立してしまうのです。
それがよろしくないのです。
今だに精神衛生の概念に乏しい日本で、将来を担う子どもたちにまで
「うつは恥ずかしい病気だ」という概念を、植え付けることはありません。
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私がうつの診断を受けたとき、私の娘は小学校低学年でした。
まだまだ子どもですから、あまり難しいことは解りません。
ですが、それまでは毎朝決まった時間に家を出て、仕事に向かっていた父が
ある日を境に部屋に閉じこもるようになってしまった。
娘がおそるおそる部屋を覗いてみても、父はソファでぐったりしているだけで、何もしていない。
そりゃあ、子ども心にも「おかしい、どうしたんだろう?」と思いますよね。
そんな娘に、女房はさとすように言いました。
「お父さんはね、お仕事のしすぎで疲れちゃってるのよ。だから今はお休み中」
これで娘は納得してくれたのです。
……まぁ女房がこの記事を見たら、「そんな簡単なもんじゃねーんだよ」とかなんとか、
あれこれ文句をつけられそうではありますが、まぁ基本はそんな感じです。
子どもがもう少し大きく、中学生くらいになっていたら、
「うつ」という病気についてきちんと理解できるかもしれません。
それであれば、少々手間はかかりますが、しっかり説明してあげるのが本筋だと思います。
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子どもも、一つ屋根の下で一緒に暮らす大切な家族です。
それに、子どもは大人が思っている以上の理解力を持っています。
固定概念や社会の慣習に毒されていないぶん、大人よりも考え方も発想も柔軟で闊達です。
その、子どもの力を信じましょう。そして「いま、パパは辛いんだ」と正直に告白しましょう。
父親といえども、スーパーマンではありません。時にはくじけることもあります。
弱ってしまうこともあります。それは決して恥ずかしいことではありません。
自分の子どもを信頼して、ありのままを伝えましょう。
闘病生活には子どもの力も大きく影響するかもしれませんし、
家族の力を借りてうつを克服できれば、そこにそれまでとは違った
家族間の信頼関係ができあがっているかもしれませんから。