そのとき、一瞬で「気づいた」

ここ数回、この話題で引っ張っております。というより、どうしても長くなってしまうんです。本当はもっと簡潔にしたいのですが、誤解があってはいけないなどと思いまして。…根が心配性なんでしょうか。

このところ天気も良く、【うつの兆候】は少々お休みしても良いだろうと思い、引き続きこのネタでまいります。

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 「なぜ?」と自分に問いかけ続けることでメンタルブロックは外れる、と前回の記事でお話ししました。これは本当に一瞬のできごとです。ただ、そこにいたるまでにはかなりしつこく、自分と向き合う作業が必要です…必要でした、私の場合には。

とはいえ、別に難しいことでも面倒なことでもありません。本当に「どうして?」「なぜ?」の繰り返しです。

当時の私はうつから脱出したものの、その後再発を経験。そこからさらに這い上がる途中にありました。
再発の原因は、以前の上司であるストレスフルな人物との接触にありました。よせばいいのに、彼と再び仕事上での関わりを持ったのです。
案の定、私は速攻でうつ気分に襲われ、これはヤバイとばかりにその仕事から手を放し、脱兎のごとく彼から逃げ出しました。

彼が絡んでるのは、最初から判ってたんだ。
断ればよかったのに。どうして俺は「ノー」といえないんだろう…。

電車の中でした。
何の用事だったか忘れてしまいましたが、空いている昼間の電車の中で、ドアの前で外の風景を眺めながら、なかばボケ〜ッとして、何となく「なんでだろなぁ」と考え続けていたのです。 

「なぜ自分は断れないのか」を考えていくと、やがて自分自身の性格や人格に行き当たります。
さらに考えていくと、やがて「認めたくない自分」が出てきます。

怠けていたい自分、ラクして愉快な思いをしたい自分、 与えるよりも与えてもらいたい自分、誰からも好かれ、ちやほやされたい自分、人よりは頭が良くでデキるけど、あんまりそれを表に出すのもイヤミだよななどと思っている傲慢な自分。
こうした自分が、ちょいちょいと顔を出しました。
もちろん愉快ではないですが、仕方ありません。だって、実際にそうなんだもの。
「そっかー、そうなんだ…。でも、なんでそうなんだろうね?」 
淡々と続けます。

すると、ある時点でことの本質が判ります。根本的な原因に行き着くのです。
「そうか、だから俺はこうなのか!」というのが、ハッキリするのです。
これは「一瞬で気づく」という感じのもので、その瞬間にすべての疑問が解決したように思えます。
実際にその通りで、これ以降、私は「うつ気分」を経験しておりません。
またこの時を境にして、自分が変化したことがはっきり判ります。

「気づき」…という言葉は何やら怪しいニューエイジ系の自己啓発セミナーみたいで気色悪く、嫌いなのですが、こればかりは他に適当な言葉が見あたりません。
うつを発症させるのが心の歪みやねじれ、願望と現実のギャップから起こる矛盾であるなら、周囲の人たちが理屈をいくら並べたところで、根本的な解決を図るのは簡単ではないでしょう。
ですが本人がその歪みとそれを生み出した心のかたちに気づき、受け入れさえすれば、一瞬で解決してしまうものなのかもしれません。

 

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