【うつが治ったらこうなった】自分を第一にする

それまでの私が、常に「世のため人のため」という行動規範で動いていたわけではありません。しかしもともとが、自分よりも人のことを気遣う気質が強かったというのは間違いありません。別に博愛主義者というわけではなく、単に「人に嫌われたくなかった」というだけの話です。自己保身のために周囲に好印象を与えておきたい。そのために人に良くしていた、というだけの話です。

これは決して自虐的な見方ではありません。過去の自分を冷静に見返して分析したときにたどりついた結論です。とはいえ、それ自体が悪いものだとは思っていません。世の中には筋金入りの、博愛精神にあふれた人もいたりします。そして決して筋金入りではなく、私のように自分勝手な都合から周囲に気遣い、手を差し伸べる人たちが数多くいます。ですがその発端の理由はどうあれ、行為そのものを否定する気にはなりません。「やらない偽善よりやる偽善」なんて言ったりもしますし…まぁこの話は長くなるので別の機会に。

ともわれ、うつを脱出した私は、その後はひたすら「自分のために」を第一義とするようになりました。頭で考えたわけではありません。自然とそうなったのです。それまでは空気を読み、周囲の人々の胸の裡を酌みつつ動くことがほとんどだったのですが、それを180度転換して「自分がどうしたいか」を基準に据えるようになったのです。

それ以前の私であれば、それはわがままだと捉えたでしょう。わがままを周囲に押しつけるなど言語道断だと考えたはずです。しかし、自分の希望や意見を述べることが悪いことであるはずがありません。肝心なのは、そこから先のことです。自分の要望を主張しつつ、周囲との折り合いを付けていければ、それは決してわがままの発露ではありません。建設的で協調的な、誰もが納得できる結論に至る道であるはずです。

まず、「自分がどうしたいか」から始める。休日の過ごし方にしろ昼飯のメニューにしろ、自分は何をどうしたいのか…そこを思考の起点にし、発想していく。周囲との兼ね合いは、その先ですり合わせれば良いことです。こういう思考のスタイルを身につけられたことは、うつを脱出して得られた大きな収穫だと思っていますし、仕事の面でもプライベートでも、今の私の生活に大いに役立っていると確信しています。

ごめんなさい!コピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました