何が「うつ症状」を起こすのか

前の記事で、私は書きました。
「うつは病気というより症状であって、うつ症状そのものが
それ以上の精神へのダメージを防ぐ働きを持っている」
まぁ、かなり要約してありますが、言いたいことはそういうことです。

では「それ以上の精神へのダメージ」を加えるものとは何でしょうか。
精神の崩壊を招きかねないほどの、心の自傷を引き起こすものとは何でしょうか。

それは「考えること」だと私は思っています。
だからこそ脳は「思考する」という機能を自ら極端に低下させてでも、
個体の精神を守ろうとするのではないでしょうか。

もちろん、うつ患者が衰えた思考力で脳裏に描くすべてのことが、
自らを傷つけているとは思いません。
ですが、それらいろいろな「考えごと」の中には、
自分自身を傷つける作用を持つものがあるのです。
つまり、精神に対する危険因子です。

こうした危険因子が自分自身にとって小さな存在であれば、
見ないふり、気付かないふりをすることもできるでしょう。
できるだけ思い出すことを避けているうちに、
やがて本当に忘れてしまうことにもなるでしょう。

ですがその問題が日々の仕事上でのことであったり、
家族内での問題であったり、
自分自身の存在に関わることであったりした場合、
「見ないふりをしてやり過ごす」ことができなくなります。
その結果、好むと好まざるとに関わらず
「精神に対する危険因子」につき合わされることになるのです。

この危険因子がなぜ「危険」であるのか?
それはまた項を改めてお話しすることにします。

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