ストレス。
日本語にするのがちょっと難しい概念です。
「葛藤」とか「懊悩」とかいう言葉がありますが、
これらの言葉の結果としてストレスが生まれるわけですから、
正確な言い換えとは言えないような気もします。
それにこれらの言葉じたい、現代では一般的ではありませんから
文意が通じるかどうかも怪しい、という欠点があります。
「私は昨年末来、寸刻として脳裏を離れぬ葛藤の為、懊悩の淵に沈んでゐた」なんて書くと
明治の文豪みたいですが、正直いって現代人にはよく解りません。
「オレ、去年の暮れからストレスがえらいキツくてさ」と書くと、
「そりゃあ大変だなぁ…」と、すんなり理解できます。
なので、素直に「ストレス」という表現で進めてまいりたいと思います。
日本語を飯の種とするライターとしては、結構な敗北感ですが、
まあ仕方ありません。「ストレス」の適当な日本語訳を
ご存じの方がおられましたら、どうかご教示ください。
で、このストレス。
これは個人の感覚から生まれてくるものです。
ですから「何がストレスなのか」ということは、その人によって違います。
そのため、まったく同じ事象に対しても、
ある人はまったくストレスを感じず、別の人は強いストレスを感じる、ということが
当たり前のように起こります。
前にもちょっと話したことですが、たとえば仕事漬けの毎日を送っていたとしても、
ある人は「とことん仕事に打ち込めて充実している。楽しい」と思い、
また別の人は「仕事以外のことをする時間がとれない。窮屈で、苦痛だ」と思うのです。
これは人それぞれの好み、価値観によって違ってくるものですから、
当然といえば当然のこと。食の好みや異性の好み、趣味や余暇の過ごし方などと同じです。
まずは、このことを呑み込んでおいてください。
あなたにとってストレスであることも、他に人にとってはそうでないことは多々ある。
また、あなたが何とも思わないことでも、他人にとってはとてつもないストレスであったりする。
ストレスというのは、人が自分の心の中に感じるものです。
ですからどこまでも個人的な感情であり、
そのため誰にでも共通する「物差し」で測れないものでもあるのです。
…なんだか今回はやけに短いですね。
ってか、今までが長文に過ぎたのでしょうか?