さて、ずいぶん長々と続けていたテーマも、
とりあえずこのあたりでひと区切りとして、まとめてみたいと思います。
まず、うつ発症の直接の原因は蓄積されたストレスであって、
それを生んでいるのが「心の生活習慣」であること。
そうの、心の生活習慣を生み出しているのが、
その人なりの「特定の価値観」であること。
これらによって作り出されたストレスを排除できない原因が、
得てして本人の「硬直した思考」であること。
この三つが、うつの原因を作り出し、さらには発症を煽る
大きな原因になっていると私は考えています。
ただ、こうしたプロセスにおいて生み出された
「ストレスとなりうる事象」にしても、
それをストレスだと感じるかどうかは、人によって異なります。
つまり、あなたがストレスだと感じていることは、
他の人にとっては何ということのない、
ただの現象にすぎない、ということも多々あるはずなのです。
毎日毎日、土日も関係なく仕事漬けという生活は、
まぁ一般的に考えれば、ストレスの塊ともいえる日々でしょう。
ですがある種の人々にとっては、仕事漬けの毎日というのは
「好きなことに没頭していられる幸福な時間」であったりもするのです。
このようなケースでは、ストレスの「ス」の字も出てきません。
自分にとって何が好ましく、何が嫌うべきものなのか。
それは人それぞれに違います。
また単純に「ストレス」といっても、その内実は十人十色で、
簡単に分類することもできません。
次回からは、このよく判らない「ストレス」というものについて、
考えてみることにいたします。