うつ病は、完治しないとされています。
いつまた再発するかもしれない…という可能性があるからですが
こんな中途半端な言われ方をして、戸惑うのは患者のほうです。
「俺の病気は治ったのか? 治ってないのか? どうなんだ?」
……まあ治ったといえば治ってますが、
いつまた壊れるか判りません……これが「寛解」という言葉の正体です。
天下の日本医学界に否を唱えるわけではないですけれども、
この「寛解」って言葉、なんとかなりませんかね?
「治癒」でいいじゃないの、と思うのです。
そりゃあ、うつは再発率がべらぼうな高さですし、
再発するたびに症状が重くなる、なんて言われます。
あまりに景気の良いことを言って、あとから再発なんぞした日には、
医者の面目まるつぶれ……なんてことを、
お医者は考えてしまうのでしょうかね。
「治ったって言ったじゃないか!」…的な、患者の反応を想像するだに
やはり「治癒」「完治」という言葉は、使いづらいものでしょう。
でもさあ。
どんな病気だって「次にふたたび罹患するかどうか」なんて、
判らないわけじゃないですか。
だったらここは景気よく「治りました!」と宣言していただきたい。
それによって、その後の患者さんの生活…というか、生き方そのものまでもが
変わるように思うのです。
「よし、病気も治ったし、ここから巻き返しにいくぞ!」
「治ったには治ったけど、いつまた再発するか判らないからなぁ…」
この二つの意識の間にどれほどの差があるか、素人目にも明らかでしょう。
うつにさんざん苦しめられた患者さんは、医師の口から
「辛かったけど、がんばったね…もう大丈夫だよ」と、言ってほしいのです。
医師の側にも、言い分があるのは承知しています。
そこにある壁を乗り越える確信がないために
「完治」と言えない、というジレンマがあるというのも理解できます。
ですが「病は気から」といいますし、何よりうつというのは「気の病」です。
それを思えば、景気の良い言葉のひとつやふたつ、
患者さんに投げたところでバチは当たらないだろうと思うのです。
うつ病は「完治」しないとされています。
それは、あまりに高い再発率のゆえなのか、
あるいは再発を防ぐ手立てを見出せずにいる現代医療の言い訳なのか、
それはなんとも判りません。
ですが私は「治った!」ということを実感できていますし、
それからすでに3年近く経ちますが、再発の予感はありません。
医者が言ってくれないのであれば、
せめて経験者の一人として、声を大にして言い続けたいと思っています。
うつは治せます。完治できます。
きれいに治して、しかも再発もせずにすむ状況にまで
持っていくことは可能です。
どうすれあそれができるのか、それは人によって違うでしょう。
ですが、うつは決して不治の病ではありません。
必ず治すことができますし、再発も防ぐことができます。
このことは、うつに悩む方々に訴え続けていきたいと思っています。