第一部終了/「思い込み」からの解放-5

前回までの記事で、うつを避ける方法についてお話ししてきました。
しかしどうも、このまま続けると終わりが無さそうですので、
とりあえず今回でひと区切りにしておくことにします。

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さて、自分自身の心との対話ののち、
こり固まった思い込みをひとつにぶち当たった私は、
次にその思い込みを解剖していく作業にかかりました。
そして「逃げること自体は必ずしも悪いことではない」という
答にたどりつくことができました。
つまりはケースバイケースで、状況によってその善悪の評価は異なる、
ということに気付くにいたったのです。

ここに気付いたときには、本当に肩の荷が下りた気がしました。

確かに周りに同僚が歯を食いしばって頑張っているときに、
自分だけが戦線離脱するというのは気が引けるものです。
ですが私の心身の健康は、私自身で守らなくてはなりません。
私の心身の状態をいちばん良く知っているのは私自身なのですから、
自分が自分を守らなくては、他に誰も守ってくれる者はないのです。

それに、心身の健康を損なった状態で仕事を続けていくことは、
周りのメンバーの足を引っ張ることにもなります。
なにしろ、メールひとつ送るのに30分もかかる始末です。
思考能力、判断力はとてつもなく劣化していますし、
そもそも「ものを考える」こと自体が、かなりの難事になってしまっています。

こんな状態では、周囲に迷惑をかけるばかりでしょう。

ですから自分の状態を周囲のメンバーにきちんと話して理解してもらい、
そのうえで引き継ぎをして、業務の一線から身を引くことが
自分にとっても周囲にとっても、最善の選択です。

まぁ、筋を通した上で堂々と逃げる……というところでしょうか。
「逃げ」という言葉だどうしてもお気に召さないなら、
「回避」とか「避難」とかの言葉を使っても良いでしょう。
いずれにしても、こうしたプロセスを経て身を引くことは、
卑怯でも裏切りでもありません。

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あなたが今現在うつを患っていて、
それでも仕事に出なければならない状況だったとしたら、
一連の記事で私がお話ししたことについて、考えてみてください。
自分の思考ルーチンがループしていないか。
その中に、隠れた分岐が潜んでいないか。
無意識のうちに、思い込みに縛られていないか。
ここでお話ししたことを、実践してみてください。

ただし、うつ気分が激しいときに行うのは避けてくださいね。
調子の良いときや落ち着いてものを考えられるときに、
無理のない範囲で行ってみてください。

また、うつと診断されてはいないものの
「オレは大丈夫かな……」と不安を感じている方にも、
この方法はお勧めです。
知らないうちに自分を縛りつけている「思い込み」を知っておくことで、
そこに隠れた思考の分岐点の存在を知ることができ、
ひいては「うつ」を避けることにもつながるからです。

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