前回の「錨の形と海底の状態」ということとは別に、
ある事象がストレスになるかどうかに大きく影響する要素が
その事象の「程度」と、本人の「感受性」です。
この感受性というヤツは「ストレス耐性」と言い換えることもできるでしょう。
ここでまたまた海に浮かんだ船の話です。
海の水深というのは一定ではなく、浅いところもあれば深いところもあります。
中には数千メートルもの深さを持つ海域もあったりして、
そんな深海には奇妙きてれつな深海魚がうごめいていたりするもので、
それはそれで興味津々の世界ではあるのですが、
このブログはあくまで「うつ」ブログですので、
チョウチンアンコウとかクロヒゲホシエソとか
リュウグウノツカイとかクマムシ(別にあったかくないです)とか、
不思議な魅力にあふれた生物たちの話には触れずにおきます。
で、この「その場所の水深」が、ストレスの原因となりうる事象の「程度」です。
水深が浅いほど、船から垂らした錨が海底に届きやすくなります。
つまり「精神に与える影響が大きく、ストレスを起こしやすい」となります。
そして錨を結びつけたロープの長さが、本人の感受性、つまる「ストレス耐性」です。
ロープが長ければ、それだけ海底に届きやすくなりますから
「外的要因の影響を受けやすく、ストレスを起こしやすい」ということになります。
前にもサンプルとして挙げた例ですが、
「早朝から出社、帰りは終電。土日も休みなし」というのは、
かなりストレスフルな環境です。
これは外的要因としては「水深1メートル」くらいでしょうか。
ほとんどの船の錨が、海底にドスンと接地している状態です。
ですが「完全週休二日で1日8時間勤務、たま〜に残業1時間くらい」であれば、
これは…どうでしょう、水深100メートルくらいでしょうかねぇ。
まぁ、これで文句を言う人はほとんどいないでしょ、というレベルです。
一方の内的要因…錨を結びつけたロープの長さはどうでしょう。
その長さが数メートル程度であれば、まぁ波打ち際やかなりの浅瀬は別として、
ちょっと沖にこぎ出してしまえば、まず錨が海底に届くことはありません。
つまりロープが短い=ストレス耐性が高い人は、
極端な浅瀬は別にして、船の進行に支障をきたすようなストレスを感じることは
まずない、ということになります。
逆に長いロープを持っている人…その長さは時に数百メートルに及ぶかもしれませんが、
そうした人はよほど水深の深い海域まで行かないと、
すぐに錨が海底に引っかかってしまいます。
つまり仕事や生活に支障をきたすほどの、強いストレスを感じやすい、というわけです。
とは言うものの、そこには先にお話しした
「錨の形状と海底の状態」という要素も入り込んできます。
海中に垂らしたロープがやたらと長く、つまりストレス耐性が低い人でも、
その先に結びつけた錨が「バール状」であって、
なおかつその場所の海底が「砂地」であるような場合には、
さして強いストレスを感じずに済みます。
砂地の海底でバール状の錨を引きずりながら進んだところで、
大した抵抗にはならないからです。