ストレスは小まめに解放する-02

前記事の続きです。

さて、日々溜まっていくストレスは、その都度解消していくほうが良いのはもちろんです。
放っておくと換気扇の油汚れみたいにどんどん蓄積していき、
キレイに取り除くことがとても難しくなります。

では、日々のストレスをどのように解消するのか。
スポーツやホビーなど、打ち込める趣味をお持ちの方ならば、
一心不乱にそこに打ち込むことで、精神の安定と平安も得られるでしょう。
ですがそうした趣味もない人(私もそうですが)にとっては、
ストレスを上手に解消する術がありません。

じゃあ、どうするか。
これは本の中でも書いたことなのですが、いたって簡単なことです。
「声を出す」、それだけです。

精神的なストレスというのは大抵の場合、その本質は「怒り」です。
「ふざけんな!」「冗談じゃねえ!」「やってられるか!」
…これら荒々しい感情の渦です。
その渦は、あなたの心の中で昭和の二層式洗濯機のように、
グルンコグルンコと激しい渦を巻きながら、そのエネルギーを溜め込んでいるのです。
だから、思い切り声を出して、そのエネルギーを発散してやるのです。

まぁ、海に向かってバカヤローと叫ぶのもいいですが、
ここはカラオケボックスを利用することをお勧めします。
一人でカラオケボックスに入り、やたら派手な曲でも流しながら、
ひたすら文句を叫び続けるのです。
「やってられっか、バカヤロー!!!!」
思い切っていきましょう。
個人名を出そうが、どんな汚い言葉を使おうが、まったく問題ありません。
「だいたいなぁ、俺は○○○が気に入らねえんだよ!このくそったれ!」
好き放題に思い切り、腹の底に溜まったうっぷんを吐き出しましょう。
遠慮はいりません。思う存分、言いたい放題に文句を言ってください。
心のブレーキを全解放することが、ここでは重要です。思い切り叫びましょう。

ひと通り、叫びたいだけ叫ぶと、何やらすっきりした気分になるはずです。
心の底に溜まっていたうっぷんが、声とともに吐き出されたような気になるはずです。
不思議なことですが、実際に声を出すと、こうした効果が現れます。
頭の中でイメージしただけでは決して得られない「スッキリ感」を、
声に出すことで得られるのです。
これは私自身が実際に体験したことですので、
あながち的外れなことではないと思います。

頭でイメージしただけの時よりも、実際に声に出したときのほうが
心や精神…脳への作用が大きくなる。
どうやらそういうことらしいのですが、思い当たるところがないわけでもありません。

たとえば、ある程度の長さの文章を暗記しなくてはならないとき。
お芝居の台本とか、スピーチの原稿とかがそれに当たりますかね。
そんなとき、どうやってその文章を覚えるか。
プリントアウトしたものを、ひたすら黙読して覚える。
…おそらく、これがいちばん効率の悪いやり方です。
黙読ではなく、声に出して音読して覚える。
…「声を出す」ことで、記憶効率はグンと高まると思われます。
さらに、自分の手で筆写しながら覚える。
…実は、文章の暗記法としてこれ以上のものはないのだそうです。
自ら書き写すという行為を通じて、一言一句が脳に刻みつけられるのでしょう。

こうしたことを考えてみても、「声を出す」という動作が人の心に与える影響は
決して小さくはないように思えます。
そしてまたそうすることで、日々積み重なっていくストレスをその都度解消し、
結果として大きなストレスを防ぎ、心の疾病を回避することができるのではないか。

……私自身は、そんなふうに思っているのですが。

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