「うつ」の現実を知ってほしい

これまた前記事の続きになりますが、
日本では「うつ」についての正しい知識や認識が、まだまだ普及してはいません。
うつになるとどうなるのか、回復への道筋はどのようなものか。
それ以前に、うつを避ける方法はあるのか。
そういったことごとが、一般にほとんど知られていないのです。

これについては、行政に期待したいところですね。。。
自治体や各企業で行っている定期検診の折りに
精神衛生についての問診を含めるとか、あるいは
パンフレット一枚手渡すだけでも、いくらかマシになるのではとも思ったりします。

ただ、問題はそのパンフレットの中身でしょうね。

私がうつの診断を受けたクリニックに置いてあったものは、
なんちゅうかこの、いかにもライトな仕上がりのものでした。
「うつは心の風邪」という、例のフレーズから始まって、
「うつは辛いけど、半年くらいで良くなるからガンバ♪」的な、
まぁ、もちろんそんな書き方はしていないのですけれども、
いかにも安易な内容に終始していたのです。

そりゃあ、気持ちは判らないでもありません。
うつを発症して「どうしようどうしよう」とパニクってる本人に、
あんまりリアルなことを言うのもアレかな、という配慮も理解できます。
しかしだからといって、根拠もない希望ばかりをチラ見せするのもどうなんでしょうね。

うつは早くても数ヶ月、長い人では数年以上、患うケースがある。
薬の効きには個人差があって、特効薬というものがない。
あなたにどんな治療が合うのか、やってみないと判らない。
強烈な「希死念慮」がある。つまり「うつ」は命に関わる病気である。

↑こういうことを、もっときちんと伝えていくべきだろうと思うのです。
そうでないと、うつを患った人は「もう一年も治療してるのに…」と不安になり、
また健康な人は「心の風邪っていうから、2〜3日寝てれば治るんじゃないの」などと、
とんでもないことを言い出すことになります。

うつを初めとする精神疾患には、まだまだ誤解や偏見がつきものです。
「偏見」は人それぞれの見方・とらえ方ですので矯正は簡単ではありません。
でも「誤解」は正しい情報を広めていくことで、正していくことができます。

私のような「経験者」がどんどん声を出していくことはもちろんですが、
行政の面からも援護射撃があれば、日本の精神衛生環境
着実に向上していくだろうと思うのです。

………厚労省とかの関係者の方、この記事見てたら、何かアクションをよろしくです。

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