療養中は、余計なことを考えず

症状の軽重にもよると思いますが、うつをやらかすと思考能力が激減します。
論理的にものごとを考える、推測して判断するということができず、
頭の中は「イヤだ」と「ダメだ」ばかりが渦巻きます。
私も、最悪期には本当に「何も考えられない」「決められない」という状態でした。
食事をしようかどうしようか。そんなことさえ決められません。
で、あげくに「どうしよう、どうしよう…」の無限ループにはまります。

こんな調子ですから、「余計なこと」ですらも、
考えることなどできません。

ですが症状が比較的軽い方や治療効果が出て回復中にある方、
また日内変動によっていくぶん調子の良くなる夕方から夜にかけてなどは、
思考能力がある程度甦る時期があらわれます。
ところが得てしてこういう時に、ついつい余計なことを考えてしまいがちです。

たとえば、先の心配。
うつは家族など周囲の人たちにも少なからず負荷がかかる病気ではありますが、
やはりいちばん辛いのは本人です。
この苦しみがいつまで続くのか、想像するだに恐ろしい限りです。
もう自分は未来永劫、マトモに戻ることはできないんじゃないか。
そんな妄想にとらわれ、不安と恐怖が先行してしまいます。

ですが実際のところ、治療によって体調が良くなるのか変わらないのか、
変化があるとすれば、どれくらいの期間が必要なのか、
それはやってみなくては判りません
すぐに効果が出ることもあれば、数ヶ月かけて少しずつ良くなるということもあります。
こればかりは、誰にも判らないのです。

どんな結果が出るか判らない。
それなら、いくら考えてみたところで仕方ないことです。
心配になるのは当然ではありますが、少々乱暴なもの言いをしてしまえば、
「心配したからって、うつが治るわけではない」のです。

だったら、あれこれ考え、思い悩むだけ、無駄というもの。
つまり「余計な心配」というわけで、
そんな余計なことを考えて暗い気分になるのなら
最初から考えないほうが得策です。

うつになると、とにかくマイナス感情ばかりに支配されます。
イヤだ、ダメだ…という言葉ばかりが頭に浮かびます。
その感情は、抑えることも消し去ることもできません。
だったらせめて、それ以外の「余計なこと」…特に、
悲観的な結論に結びつくようなことは、考えないのがいちばんです。

本当にうつが治るのか。どれくらいで良くなるのか。
元通りの自分に戻れるのか。
仕事はどうだ。復帰することはできるのか。
お金だって、あまり貯えがない。この先、やっていけるのか。

…こうした考えの中には、真剣に考えて対策しなくてはならないものもあります。
調子の良いときを見計らって、これらの問題を考えるなら良いでしょう。
家族がいれば、話し合ってみるのも良いでしょう。
ですが症状が重いときには、問題を先送りにするのも利口なやり方です。
まずは心身を休めて、治療に専念し、少しでも回復を図るべきでしょう。

療養中は「余計なことを考えない」。
これを第一にして、治療に専念すると良いと思います。

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