これは、かなり初期の段階から私は感じていました。
ぼーっとすることが増え、食欲が落ちていった頃でしょうか。もう少し後かな?
もちろん、どの時期にどんな症状が表れるか、それは人によって違うと思うので、あまり参考にはならないかもしれませんが。
私が感じた不安というのは、本当に漠然とした不安です。「不安感」といったほうがいいかもしれません。というのも、不安に感じる対象がはっきりしていなかったからです。
ふつう、心配や不安というものは、その対象となる事象があります。
今週末は家族でピクニックだ。晴れるかなぁ……心配だ。
最近仕事が減ってきたな。来月はどうだろう……不安だ。
どうも最近、胃腸の調子が良くない……心配だ。
生きていれば心配や不安のタネは尽きませんが、こうした心配や不安には必ず対象があり、またその多くは何らかの対策を施すことで、心配や不安を軽くしたり、解消したりすることができます。
家族でお出かけなのに天気が心配なら、雨が降っても楽しめるコースを選べば良いですし、仕事が減ってきて不安なら、営業活動に精を出せば良いでしょう。体調が思わしくないのなら、せめて酒を控えて病院で検査を受ければ、心配や不安は軽くなります。
ところが、うつになって感じる不安には、そもそも対象がありません。
「○○が不安」なのではなく、とにかく不安なのです。なんというか、胸がザワザワするような、ドキドキするような、せわしない感じになって、気持ちが落ち着かないのです。何が不安というのではありません。不安を感じるものなど何もなくても、心の中に不安感がいっぱいに広がってしまうのです。
こうして言葉で表現しても、うまく伝わらないかもしれません。
ですが一度経験すると、一発で「これか!」と判ります。一種異様な不安感です。
具体的な不安の対象がありませんから、軽減も解消も、しようがありません。ただ不安にさいなまれ、ドキドキするばかりです。
私は、この不安感をかなり早い段階で感じていました。
当時は「何だろう、この感じは?」と思っていましたが、後になってみれば、うつに伴う不安感だったようです。
発症初期の頃がいちばん強く、他の症状が表れるとともに不安感は軽くなっていったように思います。ですが実際には、他の症状が強烈すぎたために、不安を不安として感じなくなっていたのかもしれません。
この不安感はうつに限らず、おそらく精神疾患に特徴的なものなんじゃないかと思います。気をつけてください。
【危険度:★★★★】