まぁ、誰だって雨の日は憂うつなものです。
外に出れば服は濡れるし、水はねは煩わしいし。
ラッシュの通勤電車の中に濡れた傘をそのまま持ち込む奴などいようものなら、それでまたそのビショ濡れの傘が自分の脚にべっとり張り付いていたりしようものなら、もう今日一日は何もいいことはあるまい、と妙に悟ったような気分になってしまいます。
雨が降って嬉しいのは、せいぜい傘屋と花粉症の人ぐらいだろう…と思っていたら、実は雨の日に花粉症の症状がひどくなる人もいるそうで。なかなか、人間の体は複雑です。
で、その花粉症と同じように、うつも雨が降ると気分が落ち込みます。 「気が滅入る」というレベルではないですね。もっとこう ドーンと、まさに穴に落ち込むような感覚です。
お年寄りや古傷を持つ人たちは、体調で天気予報ができたりしますよね。
「ヒザが痛むのぉ…明日は雨かの」なんて、本当に言うのかどうか知りませんが、これがけっこう当たるのだといいます。気圧の高低が関係しているらしいのですが、うつも同じメカニズムなのかもしれません。
朝、目が覚めると(その時点で気分はドンヨリなのですが)、窓を開けるまでもなく「今日は雨だな」と判ります。それくらい、ハッキリとした違いを感じます。ガラッと窓を開けてから「なんだよ、降ってるじゃんか〜」と愚痴るのとは明らかに違うのです。
「天気が悪いと憂うつになる」というこの感覚は、本格的にうつになってしまうと、あまり気にならなくなります。いい加減、慣れてしまう、ということなのかもしれません。
ですが本当に初期の段階では、ちょっと不思議に感じるかもしれません。
「確かに天気が悪いけれども、……なんだろう、このドンヨリした感じは?」などと、思うかもしれません。
もちろん、こうした兆候が出るか出ないか、出るとしてもどれくらいの強さで表れるかは、人によって違うでしょう。私の場合は、うつの診断を受ける前から「なんだかおかしいな」と感じる程度の強さで表れていました。
低気圧が近づくと気分が落ち込む。そうした傾向は健康な人にもあるかもしれませんが、あまり頻繁に繰り返していたら、それはうつ発症の前触れかもしれません。
【危険度:★★★】