うつを発症するといろいろな症状が表れますが、その中でも実生活に大きく影響するのがコレです。
便宜上「回らない」と書きましたが、正しくは「思考が正常に働かない」という感じでしょうか。
最初に「あれ?」と気づいたのは、文庫本を読んでいたときです。
ごくごく普通に、小さな活字を目で追っていき、1ページを読み終えると次のページに…進むところなのですが、そこでハタと気づきます。たった今、読んだばかりの文章の内容を、覚えていないのです。
何をボケッとしているんだ…と思いつつ、気を取り直してもう一度、読んでみます。
それでもやはり、1ページ分の文章が頭に入ってきません。文字を目で追っているばかりで、文章の内容を読み取れていないのです。
これがもう少し悪くなると、コマ割りのマンガを読んでいても同じことが起こります。
絵と文字の情報が、目には映っているんですが、頭に入ってこないのです。ですから、同じページを何度も何度も繰り返し読み返すことになります。
こんな調子ですから、何をするにも「判断できない、決められない」という状態になってきます。
たとえばオフィスでの昼休み。さて今日の昼飯は何を食おうか…。ささやかな楽しみのひとときです。こんなとき「何を食べようか決められない」ということは、しばしばありますよね。
「ラーメンもいいけど、焼肉定食も捨てがたいなぁ。ともかく、こってりしたものを食べたいな…」なんて、どれにしようか迷ってしまって、なかなか決められない、というのはありがちなことです。
ですが私の場合、かなり状況が違っていました。「昼飯かぁ…何にしようかなぁ…」そこから先に進まないのです。
うつになると食欲が落ち、「美味しい」と感じることが激減します。そうしたことも関係あるのかもしれませんが、「AかBかで迷う」以前の段階で、思考がストップしてしまうのです。
そして結局「何にしようかなぁ」だけが頭の中で回り続け、それだけで昼休みが終わってしまいます。約1時間、考えることは「何にしようかなぁ」だけです。
誇張でもなんでもありません。ここまで来ると「今すぐにでも病院に行きなさい!」というレベルです。
【危険度:★★★★★】