面倒な人間関係をどうするか

人間関係の面倒ごとから、うつを発症する人は多いと思います。

なにしろ相手のあることですから、自分ひとりの意志でどうにかすることが難しく、それだけに問題の解決は厄介です。
 それに、ひと口に「人間関係の悩み」といっても、その内容は千差万別。ですがよくよく考えていくと、おおよそ二つのケースに分類できます。
ひとつは「仲間内で孤立している」というような、集団の中の自分のポジションや役割に悩みのタネがある場合。もうひとつは「上司からのパワハラがきつい」というような、特定の誰かからの圧力に苦しんでいる場合です。

いずれの場合であったとしても、根本的な解決策は実はとても簡単です。ストレスを感じる相手……それがグループであろうが個人であろうが、そこから離れてしまえば良いのです。 

「そう簡単にいくわけないじゃないか」
あなたはそう思われるかもしれません。
確かに、趣味や遊びのグループであれば、会いたくないと思えば会わずにすますことは簡単です。ですが、なかなかそうもいかない人間関係もあります。夫婦や親子といった家族、嫁姑の関係。あるいは職場の上司と部下、同僚。こうした関係ではほぼ毎日、イヤでも顔を合わせることになります。憂うつだからといって、簡単に離れるわけにはいきません。
でも、本当にそうでしょうか?

 たとえば家族であれば、できるだけ干渉せずに放っておいてくれるようにお願いすることができます。嫁姑の間柄でも、そうした話はできるでしょう。できませんか?

仕事上の人間関係はどうでしょう。毎日一緒にいる上司や同僚がストレスの元であるなら、転属を願い出るという手もありそうです。それほど大きな会社でないならば、思い切って転職するという手もあります。え? それもダメですか? なぜでしょう?

うつを発症させない、あるいは悪化させない根本的な手段は、「ストレスの原因を排除する、あるいは遠ざけること」だと私は考えています。 これはおそらく異論のないところではないでしょうか。
ただ問題なのは、うつに怯える多くの人たちが、その根本的な手段に対して否定的な見方をとっているらしい、という点です。 

「それじゃ『家庭内別居』じゃないか」
「嫁の立場でそんなこと、言えるわけないでしょ…」
「転職なんて、このご時世にできるわけない」
「会社を辞めたら、どうやって食べていくんだよ」
 
どうでしょう、あなたもこのような考えをお持ちなのではないでしょうか。
それこそが、うつのリスクを高め、また回復を遅らせる「悪しき思い込み」というものです。
うつとキッパリ縁を切るには、まずこれらの思い込みをじっくり見直し、そのうえで捨て去ることです。 

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