「医者を信用できない」という感情

最近はずいぶんご無沙汰ですが、このブログを運営していくにあたり、同様のテーマを扱う方々のブログをあちこち拝見したことがありました。訪問者の残したコメントなども、できるだけ読むようにして、「自分がやるサイトでは、どんなネタを出していけばいいのか」などなど、あれこれと参考にさせていただいたものです。

そうした行動の中でよく見かけたのが、通院治療中の方々の「医師への不信」でした。

「医師が自分の話を聞いてくれない」
「自分の状況を十分に理解せず、しようともしない」
「やたらと多くの薬を処方され、薬漬けになってしまっている」

このようなコメントは、あちらこちらで見かけたものです。

もちろん、これらがすべて真実かというと、決してそうではないでしょう。
私自身も憶えがありますが、うつの症状がひどいときには「自他ともに、人に対する感情に極端な偏り」が起こるものです。ですから過度な自責の念も起こりますし、他人に対する猜疑心が強くなったり、逆に申し訳ないと思う気持ちが極端なまでに膨らんだりします。

すべてはうつによるものなのですが、これを抑えることは容易ではありません。

一方で、医師の側に問題がある場合も、もちろんあるでしょう。
知識や経験の差による実力の違いは存在するでしょうし、ミスやエラーもあるでしょう。
口にした言葉、その時の物腰など、ささいなことが患者の喉に刺さる小骨になっているのかもしれません。

いずれにせよ、医師はうつ患者にとっては治療を任せられる相手でなくてはなりません。
その医師を「信用できない」のであれば、別の医師の元に走るべきです。
あなたが信頼できない医師に、あなた自身の治療を任せるべきではありません。

私自身もそうでしたが、うつを発症したあなたは、自分自身を治療することなどできませんし、それだけの知識もありません。どうしても、医師の助力が必要なのです。
ですがその医師が「信頼できない」というのであれば、治療そのものを任せることなどできないでしょう。
今すぐその医師の元を離れ、治療を任せられる、信頼できる医師を探すことが第一です。

ただ、極めて常識的に考えれば、「信頼できない医師」の絶対数は決して多くはありません。
むしろ非常に少ないでしょう。となると、「この医師は信頼できない」というのは、あなたの思い込みなのかもしれません。

ですがそれでも、こうした場合には病院を替えたほうが良いと私は思います。
重要なのはその医師が信頼できるかどうかという「真実」ではなく、あなたがその医師を信頼できるかどうかという「事実」だからです。

…とはいえ、次から次へと病院を渡り歩くというのは、治療においても障害となります。世の中、そこまで「ダメな医師」は多くありません。
それでも「ここもダメ、あの先生もダメだった」という状況ならば、結果としてはどの医師にかかっても同じこと。
ならば、通いやすい近所の病院に落ち着いて、まずは三ヶ月程度は腰を据えて治療を受けてみては…と思いますが、いかがでしょうか?
 

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