「うつには早起きが効く!」……はぁ?

うつの民間療法をあれこれ検索していると、かなりの確率でヒットするのがコレです。
んな、朝が怖くて早起きなんかとんでもない…というのがうつなのですが、この治療法は意外や意外、かなり世間に広まっているらしいです。あちこちの質問掲示板に「うつの主人に早起きをさせたいのですが、起こそうとすると逆ギレされます」などという、健気な奥様からの質問が上がっていたりします。
…この奥様の亭主でなくて良かったと心底思いますが、奥様は奥様なりに辛い状況でしょう。うつを患った当のご主人はそれ以上の災難ではありますが、まぁ朝から逆ギレする元気があれば、寛解も近いのではないでしょうかね。

で、この「早起き療法」が少し気になったので調べてみたのですが、主宰する組織それぞれに、主張が微妙に異なっているところがありました。
ひとつは「朝が辛いのはうつの特徴だから、無理はしないように」という、まぁソフト路線です。私自身の体験からして、うつ絶好調のときに無理やり早起きなんかしようものなら、そりゃもう命の瀬戸際です。ですからこうしたソフト路線は、うつに対して現実的ともいえます。
ですがこうしたソフト系の組織のいくつかは、特にうつに限って早起きを勧めているわけではありませんでした。つまり「うつを治すには、まず早起きを!」というのではなく、「早起きで健康に!……うつ?…も、治るかもね♪」というノリに近いのです。
近年多いうつ病患者を取り込もうというスケベ心が透けて見え、なんとも気持ち悪いところではあります。

で、対極に位置するハード路線では、とにかく問答無用で早起きさせます。「慣れるまでは辛く、荒療治ではあるが、それだけに回復も早い」というようなことを、堂々を主張していたりします。自殺行為にしか思えません。もちろん、こういう主張を展開するのはお医者ではありません(医者だったら、とてもこんなことを言えないでしょう)。
で、「どうしても早起きできない方はこちら→」と誘導されたページに、「朝の日光を再現した光治療器、今なら特価¥39,800!」とか、まぁそういった仕組みになっていたりします。

いずれも商売で、そうなれば「人を集めてナンボ」ですから、特に文句があるわけではありません。ですがここ数年、うつ患者は増える一方です。しかもうつは充分に解明されていないものですし、決定的な治療法も今のところありません。ですから各種の健康法・健康器具・健康食品のたぐいが「旬の漁場」と見て手を出しにかかっている、というのは間違いありません。
どれもこれもが片っ端からインチキだというわけでは決してありませんが、広告のうたい文句や体験談に釣られて「これで治る!」と頭から信じ込むのも、いかがなものかと思います。

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