「思い込み」からの解放-2

実は私、文章を書くことを仕事のひとつにしているのですが、
実際にこうしてブログを書いていると、なかなか難しいものがあります。
あんまり堅苦しい文章もイヤだし、読んでいても面白くないだろうし、
といって肩の力を抜いて書き飛ばしていくと、
後で読み返したときに「……なんじゃこりゃ」と思うような
疎漏のある文章を書いていたりします。

先日の記事でも、少々言葉足らずのところがあったようなので、
そこを補足しつつ「思い込みを取り払う、自問自答のプロセス」について、
具体的に説明していくことにします。

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これはあくまでも私の場合なのですが、無限ループを切り崩すポイントは、
「仕事を辞めたい」「でも辞められない」という部分にありました。
別段、「ここがツッコミどころだろう」と目星をつけていたわけではありません。
ただ、最初に何となく考えていたのが、そこだったのです。

「辞めたいなぁ……どうして辞められないんだろう?」

こんな漠然とした思いから始まった私の自問自答のやりとりの概略を、
以下に記しておきます。
■は、問いかけを投げる表層的な私であり、
●はそれに対して回答する深いところにいる私の意識です。

■「もう仕事、辞めたいよ…。身も心もボロボロだよ」
 ●「ダメだよ、辞めるなんて許されない」
■「どうして? それを決めるのは俺でしょ?」
 ●「だって、他のスタッフも頑張っているし」
■「人は人だよ。俺はもうやってられない。このままじゃ心身が壊れちゃう」
 ●「そんな弱気なことじゃダメじゃないか」
■「なぜダメなの? ストレスに強い奴も弱い奴もいるでしょ?」
 ●「他のスタッフを置き去りにするの?」
■「去るも残るも、自分のことは自分で決めるべきでしょ?」
 ●「じゃあ、君は一人で逃げるっていうの?」
■「逃げちゃいけないの? どうして?」
 ●「だって逃げることは良くないことだよ」
■「だから、どうして?」
 ●「卑怯だからさ」
■「逃げるが勝ち、って言うじゃないか。どうして卑怯なの?」
 ●「どにかく逃げるのはいけないことなんだよ」
■「だから、なぜ?」
 ●「どうしても、だよ! 逃げるのはダメなんだよ!」

かなり簡略化してお話ししています。
…実際には、もっと紆余曲折があったことは確かですが、
自問自答を繰り返していくと、最終的にたどりつくのは
「とにかく、こうじゃなきゃダメだ!」という、
根拠が不明で理不尽で、一方的かつ抑圧的な思想にたどりつきます。
少なくとも私はそうでした。

この一連のやりとりの中で……たとえば
■「どうして? それを決めるのは俺でしょ?」
…というところで、
「そうだよな、俺が『こうだ』と決めた通りにして良いはずだよな」と、
気付くことができれば、その時点で「思い込み」の一つが消え、
そこに新たな分岐…「じゃぁ、どうしようか」という、
無限ループからの脱出口が見えてくるはずです。
まだうつを発症していない方や、症状の軽い方は、
このレベルで「無限ループ」を脱出することができるかもしれません。

ですが私の心は「仕事を辞めることは逃げること」であり、また
「逃げることは卑怯で、許されないことだ」と言い続けていました。
そして「なぜ?」と疑問を投げ続ける私に対して、しまいには
「何がなんでもダメなものはダメなんだ!」という、
理不尽な回答しか出てこなくなったのです。

こうなると、先の記事でも書いたように
自問自答は第二段階に入っていきます。
そこでどのような作業を行うか……。
それはまた次の記事でお話しすることにします。

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